ビウレット 反応 原理。 ビウレット法とは

分光倶楽部 基礎講座 第6回

ビウレット 反応 原理

アミノ酸とは 「 アミノ酸」とは、 カルボキシ基-COOHとアミノ基-NH 2を、 両方持っている有機物のことです。 アミノ酸の性質 アミノ酸には面白い性質がいくつもあります。 順番に確認していきましょう。 しかし-Rに-COOHを含む場合は酸性となり、 そのようなアミノ酸を「 酸性アミノ酸」といいます。 同様に-Rに-NH 2を含むものを「 塩基性アミノ酸」といいます。 光学異性体の存在 アミノ酸の基本構造を見ると、 中心の炭素が不斉炭素原子になっていることがわかります。 電気的性質 弱酸の-COOHと弱塩基の-NH 2を持つことで、 陽イオンにも陰イオンにもなることができます。 特に両方が電離することで、 陽イオンかつ陰イオンである状態を「 双性イオン」といいます。 このようにして酸性だと陽イオンが増し、 塩基性だと陰イオンが増します。 そして溶液全体で電荷のバランスが取れた状態を、 「 等電点」といいます。 少し注意が必要なのは、 酸性アミノ酸や塩基性アミノ酸の場合です。 酸性アミノ酸は-COOHを2つ持つため、 すべてが双性イオンになっては電荷がマイナスです。 よってさらに強い酸性にすることで、 -COOHの電離を抑えることで等電点に達します。 以上のように等電点とは、 「すべてが双性イオンになるpH」ではなく、 「全体の電荷がバランスするpH」であることに注意しましょう。 等電点の違いによってアミノ酸を分離できます。 ペプチド結合 -COOHと-NH 2はアミド結合を作れるのでした。 -COOHと-NH 2を両方持つアミノ酸は、 次々とつながることで高分子になることができます。 これによってできる高分子を「 ペプチド」といいます。 また、このときのアミド結合を、 特別に「 ペプチド結合」と呼びます。 アミノ酸の検出反応 次にアミノ酸の検出反応を見ていきます。 これらはごっちゃになりやすいので、 1つ1つ丁寧に確認していきましょう。 どうでもいいですが、 ニンヒドリンってこうするとちょっと可愛いです。 アミノ酸の覚え方で勉強した通り、 ベンゼン環を持つアミノ酸は以下の通り。 多くのたんぱく質にはこれらが含まれるため、 たんぱく質一般で反応を起こします。 ちなみにここで使う試薬は硝酸です。 手に硝酸がかかると黄色くなってしまいますが、 これはキサントプロテイン反応のせいなのです。 「キサント」はギリシャ語で「黄色」、「プロテイン」はたんぱく質のことなので、「 黄色たんぱく質反応」ということですね。 硫黄反応では、 まず固体NaOHを加えて加熱し、 そこに酢酸鉛を加えてPbS黒色沈殿を作ります。 ビウレット反応では「 2つ以上のペプチド結合」、 つまりトリペプチド以上を検出して、 赤紫色を呈色します。。 なぜこんなに中途半端な数なのかを確認しましょう。 検出反応まとめ 以上の検出反応をまとめると以下の通り。 試験ではこれらの違いを問われるので、 確実に理解しておきましょう。 まとめ 今回はアミノ酸の性質の解説でした。 アミノ酸の基本的な性質と検出反応は理解できましたか? この分野は高校3年生の最後に習うため、 演習不足で知識が曖昧になりがちです。 ぜひ何度か読み返して完璧な知識にしてください。 ———————————————— こんにちは、受験メモ管理人、 東大卒塾講師の山本です。 僕は地方公立高校から東大に合格した経験から 勉強に関する記事を作っています。 そして 勉強法などのより深い内容を発信するために、 メルマガを開設しました。 ブログでは伝えきれない、 勉強の成果をきっちりと挙げる方法や、 受験勉強の考え方などをお伝えしようと思っています。 気になった方はぜひ 下のリンクをチェックしてみてくださいね。 関連する記事• 2018. 12 「アルデヒドは還元性があって…」 「銀鏡反応?フェーリング反応?ってなんだっけ?」 「ヨードホルム反応はいつ起こるんだっけ…?[…]• 2018. 11 アルコールはいろんな反応を起こして大変… そんなふうに思っている受験生がかなり多いです。 あなたもアルコールの反応の暗記に困っていませんか[…]• 2018. 12 カルボン酸は入試頻出で、 特に酢酸などは理論化学から出てくるため、 そこまで苦手意識はないかもしれません。 しかし、 「なんで特別酸性が強いの?」 「[…].

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Chemistry of Protein Assays

ビウレット 反応 原理

この章では,卵白を使ったタンパク質の性質を調べる実験を紹介しましょう。 この実験では,卵白を精製水で6倍にうすめ,NaClを少量加えた水溶液を使います。 NaClを加える理由は,水に不要なグロブリンを溶かし,溶液を透明にするためです。 1.アミノ酸にうすいニンヒドリン水溶液を加えて温めると,溶液は何色になりますか? 赤紫色(ヒスチジンでは青色) 2.1の反応を何といいますか? ニンヒドリン反応 <窒素・硫黄の検出> 1 卵白水溶液5mLを試験管にとり,粒状の水酸化ナトリウムNaOHを2粒を加えて加熱する。 卵白水溶液が黄色くなったら湿らせたpH試験紙や濃塩酸をつけたガラス棒を試験管の口に近づける。 2 操作1の試験管内の溶液に,酢酸鉛(II)Pb(CH 3COO) 2水溶液を数滴加える。 窒素と硫黄の検出の実験結果を確認しましょう。 卵白水溶液にNaOHを2粒加え加熱すると,アンモニア臭がします。 湿らせたpH試験紙は塩基性を示し,濃塩酸をつけたガラス棒を試験管の口に近づけると,塩化アンモニウムNH 4 Clの白煙がみられます。 発生した気体はアンモニアにまちがいありません。 このことより,卵白には窒素元素が含まれていることがわかりますね。 操作1の水溶液に酢酸鉛(II)Pb(CH 3 COO) 2 水溶液を加えると,褐色の沈殿がみられます。 この沈殿は硫化鉛(II)PbSと考えることができますね。 硫化鉛 II は,本来黒色の沈殿ですが,この反応では褐色の沈殿になります。 したがって,卵白には硫黄元素が含まれていたことがわかります。 硫黄が含まれているアミノ酸は,システインやメチオニンなどです。 <変性> 3 4本の試験管に卵白水溶液を2mLずつとる。 各水溶液について,次の操作を行う。 4 卵白水溶液を2mLに濃塩酸を1滴ずつ変化がみられるまで加える。 これに蒸留水を加えて2倍に薄めてよく振り,もとの状態にもどるか調べる。 5 卵白水溶液を2mLにエタノールC 2H 5OHを加える。 6 卵白水溶液を2mLに温度計を入れ,ビーカーの水に浸す。 ビーカーの水を加熱し,卵白が凝固する温度を調べる。 7 卵白水溶液2mLに酢酸鉛(II) Pb(CH 3 COO) 2水溶液を1滴加える。 実験結果を確認しましょう。 変成の実験結果を確認しましょう。 卵白水溶液に濃塩酸を1滴ずつ加えると,白く凝固します。 これに精製水を加えて2倍にうすめても,元の状態には戻りません。 このことより,変性は 不可逆的であることがわかりますね。 卵白水溶液にエタノールを加えても,白く凝固します。 しかし,水溶液全体が凝固するのではありません。 卵白を水で6倍にうすめた水溶液を使っているからです。 ゆで卵のような状態になると思っていたら大違いですから,注意して下さい。 白いもやもやとしたものが見えるのです。 また,酢酸鉛(II) Pb(CH 3 COO) 2水溶液を加えても白濁します。 鉛(II)イオンPb 2+が原因です。 <呈色反応> 8 卵白水溶液を3本の試験管に2mLずつとる。 また,ゼラチン水溶液を3本の試験管に2mLずつとる。 各水溶液について,次の操作を行う。 10 卵白およびゼラチン水溶液各1本ずつに,濃硝酸HNO 3を5〜6滴加えて加熱する。 11 卵白およびゼラチン水溶液各1本ずつに,ニンヒドリン水溶液を数滴加えて加熱する。 実験結果を確認しましょう。 卵白水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加え,さらに硫酸銅(II)水溶液を1滴加えると,水溶液は赤紫色に変化します。 これがビウレット反応ですね。 もちろんゼラチン水溶液も赤紫色に変化します。 卵白水溶液に濃硝酸を加えて加熱すると,溶液が黄色に変化します。 さらにさらに水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性にするとすると,溶液は橙色になります。 これがキサントプロテイン反応ですね。 キサントプロテイン反応は,ベンゼン環のニトロ化が原因ですから,ベンゼン環を含むアミノ酸,すなわち,フェニルアラニン,チロシンやトリプトファンが含まれていることがわかりますね。 爪に濃硝酸をつけて見ましょう。 爪が黄色になれば,あなたの爪にはフェニルアラニン,チロシンやトリプロファンが含まれていることになります。 もし黄色にならなければ,あなたの爪には,それらのアミノ酸が含まれていません。 すなわち,ヒトの爪ではないことになります。 もしかしてエイリアンだったりして…。 ゼラチン水溶液に濃硝酸を加えると白濁し,加熱すると白く凝固します。 水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性にしても変化がみられません。 卵白水溶液にニンヒドリン水溶液を数滴加えて加熱すると,赤紫色に変化します。 これがニンヒドリン反応ですね。 ニンヒドリン反応はアミノ酸でも見られます。 ゼラチン水溶液では,ニンヒドリン反応は見られません。 これから卵を食べるときには,この章の実験を思い出して下さい。 ビウレット反応,キサントプロテイン反応,ニンヒドリン反応,変性などですよ。 それでは考察です。 キサントプロテイン反応は,チロシンやフェニルアラニンのようにベンゼン環をもつアミノ酸を含むタンパク質に陽性。 ニンヒドリン反応はタンパク質やアミノ酸に対して陽性で,遊離したアミノ基とカルボキシル基がある場合に起こる。 したがって,チロシンまたはフェニルアラニンなどのベンゼン環を有するアミノ酸が含まれ,遊離したアミノ基,カルボキシル基が存在するトリペプチド以上のポリペプチドと考えられる。 爪に濃硝酸をつけると黄色になるのは, 爪もタンパク質からできていて,ベンゼン環をもつアミノ酸を含んでおり,キサントプロテイン反応を起こす。 ゼラチンを構成するアミノ酸の種類は ベンゼン環を含むアミノ酸や硫黄を含むアミノ酸の含量が少ないと考えられる。 卵アルブミンとゼラチンの違い タンパク質 硫黄を含むアミノ酸 ベンゼン環をもつアミノ酸 卵アルブミン 8.7% 5.4% ゼラチン 1.1% 0.4% この章の実験のポイントは,次の通りです。 1.卵白水溶液に固体のNaOHを加えて加熱すると,アンモニアが発生します。 これにより,窒素元素の確認ができます。 また,冷えてから酢酸鉛(II)水溶液を加えると,褐色の沈殿が生じます。 これにより,硫黄元素の確認ができます。 2.卵白水溶液に濃塩酸やエタノールを加えると,白く凝固します。 また,加熱しても凝固します。 これをタンパク質の変性といいます。 変性は,もとには戻らないので,不可逆的といえます。 3.タンパク質には,特有な呈色反応があります。 Cu 2+の錯イオンが生成して赤紫色になるのがビウレット反応です。 また,濃硝酸を加えて加熱すると黄色になるのがキサントプロテイン反応です。 これは,ベンゼン環のニトロ化のために起こる反応です。 4.同じタンパク質でも,卵アルブミンとゼラチンでは,構成するアミノ酸の種類が違うことがわかります。

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BCA法、Bradford法、Lowry法など、“総”タンパク質定量法の原理まとめ|知っておきたい!タンパク質実験あれこれ 第4回

ビウレット 反応 原理

R に - COOH 基をもつものは 酸性アミノ酸, - NH 2 基をもつものは塩酸性アミノ酸という。 そのほか, S を含む 含硫アミノ酸, - OH 基をもつオキシアミノ酸,芳香族や複素環をもつアミノ酸な どがある。 不斉炭素原子をもつ分子を,それを鏡面に映した 形の分子と比べると,重ね合わせることができず,互いに異性体となる。 この異 性体は,対掌体,鏡像体の関係にある立体異性体で,光学的性質だけが異なること から光学異性体と呼ばれている ときには,結晶形が左右逆になることもある。 光 学異性体の溶液に偏光を当てると,その振動面が右や左に旋回する。 右に旋回させるものを右旋性があると いい, + で表す。 左旋性と右旋性のものの等量混合物は旋光性がなく,ラセミ体 と呼ばれる。 光学異性体には,その構造からみた命名上の規約がある。 これは,フィッシャー E. Fischer によるもので,基準物質にグリセルアルデヒドを用い,小型の D と L の 文字を用いて表すものである。 四角形は不斉炭素原子を中心においた正四面体を表し,各頂 点で置換基と結合している。 図 b は, a を平面に投影した図である。 図 c は D 型,図 d は L 型であり, c と d は D と L が鏡像体になっていることを示す。 天然のアミノ酸はほとんど L 型であるが,旋光性は右と左のものとがある。 酒石酸には, 1 分子中に 2 個の不斉炭素原子がある。 そこで, 2 個とも D 型また は L 型のものと, D 型と L 型を 1 個ずつもつメソ体と呼ぶ対掌構造のものとがある。 メソ体は,ラセミ体と同様に,左旋性と右旋性とが打ち消し合って旋光性を示さな いので,光学不活性体である。 一般に,不斉炭素原子 n 個をもつ分子の光学異性体は, 2 n 個である。 光学異性体は,生理的には全く異なった挙動を示すもので,地球上の生物体内 のホルモンや糖類,アミノ酸などは,どれも光学活性であり,そのどちらか一方 の分子からできている。 このように生物体 内では,一方の光学異性体のみが選択的に秩序よく配列されて,安定な構造を保 って生理作用を営んでいる。 このことは非常に興味深い問題である。 現在,この 不斉が発生する仕組みについては , いろいろな研究が進められている。 不斉発生の 真の姿が解明される日も近いことと思われる。 参考 光学分割 不斉炭素原子を含む化合物を人工的に合成すると,光学異性体の等量混合物であ るラセミ体が一般には得られる。 鏡像体の一方だけを合成する不斉合成もいろいろ な方法が試みられている。 しかし,ラセミ体から一方の鏡像体を分離する方法は古 くから研究されており,これを光学分割またはラセミ分割という。 主として次のよ うな方法がある。 1 最も古い方法として,パスツール L. これを顕微鏡を用いて分け,強酸で処 理して,酒石酸のそれぞれの対掌体を得た。 しかし,この方法に適する物質の例 は少ない。 2 ラセミ体の飽和溶液の中へ,再結晶の種として一方の対掌体の結晶を入れると, 種結晶と同じ対掌体の結晶が析出してくる。 また,時には異なった旋光性の結 晶を種として加えても,その刺激によって一方のみの対掌体の結晶が析出するこ とがある。 この 2 種類の塩の溶解度の性質は同一ではなく,再結晶やクロ マトグラフィーなどの方法によって, 2 種類の塩に分離することができる。 この 分離した 塩を酸で処理して, D と L のカルボン酸をそれぞれ別々に得ることが できる。 これ は酵素の基質特異性に起因する。 この性質を利用して生物体外における酵素 の作用により,ラセミ体のアミノ酸やテルペン類の光学分割を行うことがで きる。 アミノ酸は,通常 NH 2 - CH R - COOH のように表されるが,固体においても溶液 中においてもプロトンがアミノ基のほうに移動し,次のようになっている。 このことは,アミノ酸が大きい双極子モーメントをもつことや,有機溶媒に溶け にくいこと,また,固体の融点が高く,それに達するまでに分解することなどの性 質を示すことから理解できる。 このような陽,陰,両イオンを 1 つの分子中にもつ イオンを双性イオンという。 タンパク質もその例である。 双性イオンは,酸には塩基として,塩基には酸として働き,それぞれ陽イオン, 陰イオンになる。 アラニンでは次のようになる。 脂肪族アミノ酸の等電点 純水に溶解したときの pH は約 6. 0 , p K 1 は約 2. 3 , p K 2 は約 9. 7 である 酢酸の p K は 4. 6 , NH 4 + の p K は 9. 2 である。 また,酸性 アミノ酸の等電点は約 3 ,塩基性アミノ酸の等電点は約 10 である。 この反応はきわめて鋭敏でペプチド,タンパク質の ほかに,多くの第一級アミン,アミノ糖も呈色する。 また,アンモニア自身も陽 性となる。 人類にとって甘味料は必要なものであるが,砂糖などの糖類は肥満,虫歯,糖尿 病など多くの問題を含んでいる。 一時,合成甘味料としてサッカリンやチクロが用 いられていたが,発がん性などの問題があり,使用されなくなった。 アスパルテー ムは,タンパク質と同じように代謝され,安全性にも問題がなく,低カロリーであ り,すっきりした甘味をもつダイエット甘味料として広く用いられている。 アスパルテームの甘さは, 1965 年に米国の製薬会社 G. サール社 現在の Nutra Sweet 社 の研究員シュラッターが偶然発見した。 彼は,胃液分泌促進ホル モン「ガストリン」の中間体としてアスパルテームを合成し,これを再結晶してい るときに,パラフィン紙をとろうとして指をなめ,強い甘味を感じた。 つまり,液 が吹きこぼれて指に付着する偶然と,研究員の指をなめる癖とがあいまって,企業 の研究方針とは無関係に,全く偶然にアスパルテームは発見された。 アスパルテームは,各種の安全性データをそろえて米国 FDA 食品医薬品庁 へ 1973 年に認可申請がされた。 しかし, 1975 年に異議申し立てがあり, 1981 年にな ってようやく乾燥食品用に, 1983 年に飲料用に認可された。 これは,実に発見か ら 18 年目であった。 日本では 1983 年に使用が認められた。 なお,アスパルテームは, Nutra Sweet 社と日本の味の素 株 とで共同開発され, 両社での生産量は年間数千トンにもなる。 このようなペプチドの大量生産は,他に 例のないものである。 日本では,商品名「パルスイート」として味の素から発売さ れている。 アミノ酸の数により,ジペプチド, トリペプチド,テトラペプチドなどに分けられる。 また, 2 〜 10 個のものをオリ ゴペプチド, 10 〜 100 個のものをポリペプチド, 100 個以上のものをマクロペプチ ドと大別することもある。 ペプチドは,タンパク質の加水分解生成物に含まれるほか,ホルモン,抗生物質, 毒素などとしても天然に存在する。 そして,クロマトグラフィーなどの分 析法で組成が決められるとともに,構成アミノ酸の順序も決定できるようになり, 1955 年頃に Sanger が初めてインスリンの化学構造を決定した。 タンパク質が生体で重要な機能を果たすのは,化学構造 一次構造 によるだけで なく,その空間構造によることが明らかとなり,これを決定するため X 線結晶解析 が用いられた。 これにより, 1958 年に Kendrew が初めてマッコウクジラのミオグ ロビンの空間構造を明らかにした。 生体の機能を果たす機能タンパク質は,酵素が主たるものであるが,その作用機 作や,酵素反応による生成物がフィードバックにより酵素反応を押さえる調節作用 の機構などが,現在研究の焦点になっている。 さらに,核酸とも関係するが,生体 内でアミノ酸配列の決まったタンパク質が,あたかも印刷されたようにつくられる のかという,いわゆる生合成の問題が重要になっている。 142 図 21 参照。 参考 ミオグロビン 筋肉細胞内に存在する色素タンパク質で,分子量はウマのミオグロビンで 16800 である。 筋肉内での呼吸で,酸素の貯蔵に大きな役割をはたしている。 魚肉などの 赤色は,このミオグロビンの色である。 マッコウクジラのミオグロビンの完全空間 構造は,すべてのタンパク質のうちで最も早く 1958 年に, Kendrew によって, X 線解析で決定された。 詳細を下図に示す。 結合している有 機化合物の種類により,核酸を含む核タンパク質,リン酸を含むリンタンパク質, 脂質を含むリポタンパク質,色素を含む色素タンパク質,糖を含む糖タンパク質な どに分けられる。 タンパク質の二次,三次の構造は,炭化水素鎖間 の疎水基どうしの結合や分子内の水素結合で保たれている。 したがって,きわめて おだやかな変化でこれらが切れて,一次結合が残ったままのタンパク質は,生の状 態とは違った状態になる。 このような変化をタンパク質の変性という。 タンパク質 は元来,生物体を構成し,その機能をはたしているものであるが,変性にともなっ て生物的な活性が失われてしまう。 変性は加熱や,超音波照射,紫外線照射などの 物理的な変化によっても行われるが,尿素や塩酸グアニジンのような水素結合性が 強いものや,重金属イオンなどのように,不溶性の塩をカルボキシル基との間につ くるようなはたらきをもつものの作用によってもおこる。 超音波照射や紫外線照射 のときには,一部共有結合の切れることもあり,これも変性として取り扱われる。 タンパク質およびペプチドの水酸化アルカリ溶液に希硫酸銅 II 水溶液を数滴加 えると,青紫〜赤紫色を呈する。 この反応は,ポリペプチド鎖の隣接する 2 残基の 窒素原子が水素原子を失い,銅 II イオンに配位することにより錯体を形成すること による。 検出感度はあまり高くないが,タンパク質特有の反応として,その定量に 従来より広く利用されている。 ビウレット H 2 NCONHCONH 2 が同様の呈色反応を示すので,ビウレット反応の名が ある。 試料液に約 1cm 3 の 濃硝酸を加えると白濁が生じる場合もあるが,さらに沸騰水中で加熱すると淡黄色 を呈する。 これを冷却してアンモニア水または 40 %水酸化ナトリウム水溶液を滴 下し塩基性にするとオレンジ色を呈する。 この反応はタンパク質を構成するアミノ 酸の中で芳香族アミノ酸,すなわちトリプトファン,チロシン,フェニルアラニン の芳香環が硝酸によりニトロ化されることにより生じる。 1 構造タンパク質 生物の構造をつくるタンパク質。 繊維状構造をもち,水に 不溶である。 ケラチン,コラーゲン,フィブロイン,エラスチンなどがある。 2 運動性タンパク質 生物の運動に関係するタンパク質。 繊維状構造をもち, 水に不溶である。 アクチン,ミオシン,チュブリンなどがある。 3 栄養タンパク質 生物の成長に必要な栄養となるタンパク質。 球状タンパク 質である。 グリアジン,カゼイン,オボアルブミンなどがある。 4 輸送タンパク質 生体内の物質輸送に関係するタンパク質。 球状タンパク質 である。 ヘモグロビン,血清アルブミン,リポタンパク質などがある。 5 酵素 触媒作用を行うタンパク質。 球状タンパク質である。 6 調節タンパク質 生体内の生理活性の調節に役立つタンパク質。 球状タンパ ク質で,一連の代謝反応を律速する多くの酵素がこれに含まれる。 7 防御タンパク質 他の生物種の侵略に対して生体を防御し,傷害から生体を 守るタンパク質。 球状タンパク質で,抗体,フィブリノーゲンなどがある。 ヘビ 毒やバクテリア毒素などもこれに含まれる。 タンパク質が変 性するような条件,高温,低 pH ,または高 pH のようなところでは,活性を失う ことが多い。 それぞれの酵素には,その触媒作用に最も適した,いわゆる最適温度, 最適 pH というものがある。 酵素は上述のようにタンパク質だけでできているものもあるが,熱に安定な低分 子化合物と結合して酵素としてのはたらきをもつものもある。 この場合,タンパク 質部分をアポ酵素,低分子化合物を補酵素といい,その結合したものをホロ酵素と いう。 水溶性ビタミンは,この補酵素の成分となるものが多い。 次に酵素の分類と例を表にして示す。 酵素の最適 pH の例 酵素 ペプシン カタラーゼ トリプシン リボヌクレアーゼ アルギナーゼ pH 1. 5 7. 6 7. 7 7. 8 9. 7 酵素の分類と例 酵素の分類 酵素名 基質 生成物 加 分 酵 水 解 素 カルボヒドラーゼ マルターゼ マルトース グルコース アミラーゼ デンプン マルトース プロテアーゼ ペプシン タンパク質 ペプトン トリプシン タンパク質 アミノ酸 パパイン タンパク質 アミノ酸 エステラーゼ リパーゼ 脂肪 脂肪酸,グリセリン アミダーゼ ウレアーゼ 尿素 CO 2 , NH 3 酸 還 酵 化 元 素 チマーゼ へキソース エタノール, CO 2 カルボキシラーゼ ピルビン酸 アルデヒド, CO 2 オキシダーゼ アルコラーゼ アルコール 酢酸 カタラーゼ H 2 O 2 H 2 O , O 2.

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